!!本編中で秘密が公開されるため、未プレイの方はご注意ください!!
対立型シナリオ。
妖魔「月蝕み」を討伐するべく結成された血盟、水無月。
あと一歩のところで月蝕みを取り逃してから一年後。
月蝕みに食われたはずの血盟の首魁がふらりと帰ってくる。
「今度こそ月蝕みを封印する術を手に入れた」、と言いながら――
PC紹介と導入シーンまで。
GM:ではまずトレーラーをもう一度貼って、それから各PCの導入&使命を
確認ののちPC紹介をしていただきたいと思います。
というわけで、まずはトレーラー
妖魔『月蝕み(つきはみ)』。
地獄門より這い出たかの妖魔を退治するためにある血盟に任務が下る。
精鋭たる忍たちは果たして妖魔を追い詰めた。
しかし、月を呑むその顎にて『月蝕み』はPC@を喰らい姿を消した。
それから1年。
一度下された任務は終わらない。
身体に『月蝕み』を宿した男が姿を現し、
街を朱く染める儀式を始める。
煌々と輝く月は未だ隠れず。
照らされた影たちが挑む先は、
見つめるものは、以前と同じものなのか。
シノビガミ『月隠す天の外』
GM:これより開幕です。よろしくお願いいたします。
一同:わーわー!(ぱちぱちぱち)
鴇也:(貴賓席で拍手を打ち鳴らしなら。
GM:ではまずPC紹介を、PC1から
■PC@ 焔木 鴇也
・名前:焔木 鴇也(ホムラギ トキヤ)
・性別:男 ・年齢:28 ・表の顔:??? ・信念:情
・流派:ハグレモノ/不知火
・特技:火術/生存術/分身の術/詐術/召喚術/瞳術
・忍法:接近戦攻撃/百燐/影分身/頑健/空吹/外連
・背景:末裔/特殊忍具/病魔
・使命:【月蝕みを封印する。】
・導入:己の身体に寄生した『月蝕み』を封印するため、
あなたは結界『赤燭天蓋』を作り出した。
この結界の中であれば、『月蝕み』を封印することができる。
血盟で挑んだ任務、首魁であるあなたが諦めるわけにはいかない。
あなたは手の中のプライズを握りしめた。
GM:首魁のPC1担当・らっこさんお願いします。
鴇也:うむ、わしが血盟の首魁、ドン・ゼーオッターであるよう。ヾ(:3ノシ
と言うわけで此度、PC1をやらせていただきます。らっこで御座います。
どうぞよろしくお願いいたしますん!
朝光:お願いします<(_ _)>
紫貴音:よろしくお願いしますー
いのめ:宜しくお願いします!
GM:宜しくお願いします主人公力超高いらっこさん!
いのめ:きたいたかまるw
鴇也:やめてっ!?(;3
今回、ロールさせて頂きますのは、焔木 鴇也
1年後のシナリオ本編時点で28歳。
流派は不知火の系譜、『焔木』の家名を継ぐ嫡男です。
と言っても、不知火は既に歴史の傍流に消えかけております。
焔木もご多分に漏れず、その業を継ぐのは齢60を数える父と、自分のみ。
多くの不知火が迫害の末に、他流派に吸収されていく中、『焔木』の名と『不知火』の有為性を証明する為に、単身、生存率の低い任務に挑む、と言った感じ。
本人はしかし、そんな生まれではありますが、陽気な方。いうことも大仰なことが多いという感じでしょうか。
アイコンは忍び装束時、です。普段は現代人らしい、格好をしているよう!
で、此処までが一年前。
一年後は、左目の周辺が燃える様な鳥の羽で覆われています。
はっ、一年前は此処までと言ったな。それは嘘だ。
当時の通称、『食火鶏』ヒクイドリのトキヤ の二つ名の通り、と言った感じで。
理由とかは本編で語れればいいなーと言う感じではありますが、一つ、
自己紹介混じりの私信がございます。
前回、ロールしたキャラがシノビに似合わぬ直情的で真っ直ぐなキャラをだったのですが、
今回、鴇也は『シノビ』らしい感じで行こうと思います。
『嘘』を台詞の中に交えていこうと思っています。会話が成り立たない嘘でも、
一切本心で思っていない嘘でもないのですが。
で、皆さんにご相談ですが、『嘘』を喋ってる時は『』で囲ったりして強調したりした方がいいか、どんとこいやー! にするか(:3
1年前から嘘つきだったというよりは、1年超えて『嘘』が見えてきたという感じかのう(’’
協議の末、嘘の部分は『』で強調することに。
鴇也:不束者では御座いますが、なにとぞよろしくお願いいたしますーん
紫貴音:よろしくお願いいたします
いのめ:よろしくお願いします!
朝光:よろしくお願いします。
GM:はぁい! らっこさんはらっこ時空ばっかりピックアップされてますけど
PC1力すごく高いの知ってるので超楽しみにしてますよろしくお願いします!
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■PCA 泉 いのめ
・名前:泉 いのめ(イズミ イノメ)
・性別:女 ・年齢:?? ・表の顔:深窓の令嬢 ・信念:情
・流派:比良坂機関/醜女衆
・特技:絡繰術/刀術/罠術/対人術/傀儡の術/召喚術
・忍法:接近戦攻撃/揺らし/天眼/黄泉軍/沈黙/合方
・使命:【PC@を救い出す。】
・導入:PC@はあなたを庇って『月蝕み』に寄生された。
そのまま消えたPC@が再び姿を現した時、獣のような風貌から覗く瞳は
以前、あなたを血盟へと誘ったあの時と同じものであった。
あなたは『月蝕み』からPC@を救うことを誓った。
GM:では、続きましてPC2
月蝕みに不覚をとる比良坂・PC2を、みうあおさんお願いします。
いのめ:はい。PC2をやらせていただきます、みうあおと申します。
PC2、泉いのめは年齢不詳、門外不出であったところの醜女衆のシノビです。
ええと、なにをいえばいいんだ… えっと
比良坂の屋敷奥深く育てられた令嬢。いつから閉じ込められていたのか、
いつまでそこにいるべきだったのか、彼女自身も知らなかった。
PC1が彼女を連れ出したその日までは。
人とまっすぐ話すのが苦手で、アンティークなデザインの電話を常に携帯し、
それをかける素振りで人に話しかける。
どこにも繋がっていないように見えるが、彼女は確かに"何か"と話をしている。
それが彼女自身の力であり、閉じ込められていても忍務をこなしていた秘密なのだー、みたいな感じです
GM:おぉ、家の中にいながら忍務が出来る。良いですね!
いのめ:はい。だから、顔を見て誰かを殺したこととか、多分ありません。
鴇也さまとは反対に、シノビになりきれていません。
彼女にとっては、血盟のみなさんは初めて出来た仲間ですので、可能な限り、
鴇也さまをお助けして、元通りの血盟に戻れないか、などと甘いことを
口にしたりもしています。
そんな感じで、よろしくお願い致します。
朝光:よろしく願いします。
紫貴音:よろしくお願いしますー
鴇也:わーいっ、よろしくお願いいたしますん!
GM:はーい!みうたんは美少女力高いのでとても楽しみにしています
よろしくお願いします!
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■PCB 佐馬 朝光
・名前:佐馬 朝光(サマ トモミツ)
・性別:男 ・年齢:24 ・表の顔:道場師範 ・信念:情
・流派:鞍馬神流
・特技:砲術/走法/刀術/盗聴術/対人術/伝達術
・忍法:接近戦攻撃/無拍子/残雪/先の先/血断/外連
・背景:内通者/戦闘狂
・使命:【月蝕みを殺害する。】
・導入:『月蝕み』に寄生されて姿を消したPC@。
妖魔と化した彼は結界『赤燭天蓋』を構築し、再び姿を現した。
あなたに課せられた使命のためにはPC@を殺害するしかない。
あなたは渡されたプライズを懐に入れ、得物を手にとった。
GM:お次、PC3
ただひたすら月蝕みを殺す人、鞍馬のPC3を甲斐シュンスケさんお願いします
朝光:はい、PC3を担当いたしますPLは甲斐シュンスケです。
ついったで探偵小説とか大正浪漫とかつぶやいています。
佐馬朝光 24歳 男性 灰色のスプリングコートをまとった短髪の青年。
鞍馬神流の忍者。表の顔は道場師範。信念は情。一人称は私。
真面目で少し控えめな性格。一歩下がって血盟の皆を守るようなイメージです。
1年前の忍務で、鴇也が月食みに食われ、妖魔を倒せなかったことに責任を感じている。
私が、あの月喰みを斬らねば、と考えています。
獲物は刀。銘は「金烏玉兎(きんうぎょくと)」といいます。
他に言った方がいいことありますか
GM:何か質問がある方はいますか?
ちなみに朝光さん、めっちゃ強いですよ…!
鴇也:うむ……(震え
紫貴音:(震え
いのめ:(ふるふる
朝光:恐れられてしまった!?(゜◇゜)
GM:あ、表の顔は道場師範ということですが、剣道道場か何かをやっている?
鴇也:('、3 佐馬の御家はどんな感じですかっ<道場がお家?
朝光:はい、家が道場で、若先生みたいな立場です。
たぶんすごい強いじーちゃんと父ちゃんがいます。
GM:ふむふむ〆(.. )
鴇也:ええのうええのう('、3
朝光:名前とかはまだ考えてません(苦笑)
GM:必要になったらつけましょう!w
朝光:そうしましょうw
いのめ:あ、鴇也様はつれだしてくれた因縁、多分PC4さんは初めてのお友達的な感じになると思うので、朝光さんはちょっと昔馴染みみたいな感じでいいでしょうか?
朝光:かまいませんよ。お互い小さい頃から知っている間柄でしょうか?
いのめ:いいですねいいですね、朝光さんが問題なければぜひ!
鴇也:比良坂と鞍馬であれば、家同士の縁がありそうだのうっ
紫貴音:確かに……
朝光:問題なしです!昔なじみだとしたら、「いのめ」と呼んでもよろしいでしょうか?
いのめ:はい! こちらは……普段は朝光さま、だけどたまに小さい頃の呼び名って感じで
GM:ということは、朝光さんは年齢不詳ないのめさんの成長(?)の様子を知ってるんだなぁ
いのめ:年齢不詳設定、ぐっばい!
鴇也:初めて会う人から見ると、的な!<年齢不詳設定
いのめ:的な! 幼く見えるんですよ、それで!
GM:それだ!!!
朝光:一方でPC1は鴇也どの、PC4は紫貴音どのと呼ばせていただいても
よろしいでしょうか。
紫貴音:こちらはかまいませんよう
GM:古風ですね。いいなぁ(*´ω`*)
鴇也:はぁい、こっちは『イノ』と『トモ』っていう感じで愛称で呼ぼうかのう。
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■PCC 空木 紫貴音
・名前:空木 紫貴音(ウツロギ シキネ)
・性別:女 ・年齢:妙齢 ・表の顔:?? ・信念:情
・流派:隠忍の血統/血社
・特技:水術/刀術/医術/九ノ一の術/召喚術/瞳術
・忍法:接近戦攻撃/社会戦攻撃/鬼影/血奴隷/博識/外連
・背景:絆(PC@に憧憬)/目撃者
・使命:【月蝕みを封印させない。】
・導入:あなたはその身に流れる妖魔『月蝕み』の血に縛られ、
祠で祀られていた。
そんなあなたを導き出してくれたのはPC@率いる血盟であった。
『月蝕み』を殺せば、自由になれる。
『月蝕み』が封印されれば、あなたもまた封印される。
せっかく得た自由を、失うわけにはいかない。
GM:では最後、PC4いきましょうか
祀られし隠忍・PC4はのみちさんお願いします!
紫貴音:はい。PC4、キャラクターは空木 紫貴音。
顔を黒いヴェールで隠した年齢不詳な外見です。
流派は血社、吸血鬼です。信念は情。
ずっと祠にまつられていたため人との接点が滅多になく、血盟に誘われて初めてまともなつながりを得ました。
しかしそのつながりも1年前に失われてしまったため、今は手慰みに「葵」と名づけた血徒を傍においています。
祠からは出たものの何をしたらいいのかわからず、太陽も好きじゃないので結局引きこもりがちな日々。
人との接点がなかったため自己の概念が薄く、身の回りの世話は葵に任せて
本やネットなど駆使して色んなことを勉強しています。
が、まだ単語の選び方の判断がつかないので妙な言い回しが出てきます。
一人称や二人称もブレブレです。
相手のリアクションを見てちょっとずつ修正するトライ&エラーの最中。
紫貴音があまりに通じにくい単語をチョイスした時は葵が通訳を挟むので安心。
こんな感じで よろしくお願いいたします
朝光:よろしくお願いします。
いのめ:宜しくお願いします!
GM:はい! 先生質問です!
ネット使用してるってことは、どこかに家を借りてる感じ?
鴇也:わかい、よろしくお願いいたしますん!
確かに今は何処にお住まいなのか。
紫貴音:祠から電車で2駅くらいのところにアパートを……?
GM:ハイソだった!
いのめ:はいそ!
紫貴音:生活感はあまりない……!
朝光:忍者のコネを使えば、太陽光の入らないセーフハウスを手配出来る?
比良坂のいのめさんがいるし。
GM:流石血徒。
いのめ:「…はい、もしもし。いのめです。ええ。隠れ家のご用意をお願い。
昼を知らないお客人よ。丁重にね。(と、受話器を耳に当てたまま)
……はい、紫貴音さま。きまりましたわ」みたいなのとか?
朝光:おおさすが比良坂のコネは広大
紫貴音:「感謝感激、ですいのめ氏」ぺこり
いのめ:「(目を伏せて受話器にささやくように)お安いことです。
何かあったらおっしゃってね(にへ)」
となると、1年間って残り3人でそれぞれの思惑を持ちながら結託はして鴇也さまを探していたのでしょうか?
鴇也:ほうほう(1年間の話なので少し身を引き
朝光:鴇也どのが月喰みに寄生されてから1年の間に何が起きたのかは考えた方がよいのでしょうか。
紫貴音:鴇也様のことは手配していました ウェブの掲示板にもカキコしたです
GM:WEBの掲示板w
いのめ:WEBw
鴇也:>>それ知ってる! 日本の国鳥
>>ばっかでぇ、鴇は国鳥じゃないんだぜ
(∈ とかのレスが
紫貴音:ばっかでぇ ばっかでぇ 紫貴音覚えましたし
GM:忘れなさいw
いのめ:おぼえちゃった!
朝光:レスが付いた!? そしておぼえた!?
紫貴音:そうやって色んな単語をごっちゃに覚えて使っていく人です
鴇也:成程(何を覚えさせようとワキワキしながら
GM:やめろよぉ!www
そ、そんな感じでよろしいかな?
紫貴音:はーい
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GM:では最後にNPCの紹介をちょろっとして。
■月蝕み 概要:PC@に寄生した妖魔
・使命:【月を蝕む。】
・設定:PC@に寄生している妖魔。
月蝕みを殺すためにはPC@を殺す必要がある。
GM:この妖魔は【秘密】を調べることはできますが、
【居所】もデータもありませんので、覚えておいてください。寄生してるからね!
「調べます」って言えば、だれでも調べることが出来ます。
一同:ふむふむ
鴇也:後は一応血盟の再確認かのう?(:3
GM:そですね、血盟の再確認! 結局、名前は最終的にどれに決まったのか。
鴇也:『月長石』で象った装具をつけてて、『守護』を是としてて、
名前の決が取れてなかった('、3
紫貴音:色々案は出ておりましたね
鴇也:『月長石』『月天心』『水無月』とか挙げて頂いておりましたのう
いのめ:月長石が6月の誕生石で水無月石…とか出てましたね
個人的には季節も6月にしちゃって、水無月(一月限りの血盟のつもり
だった)みたいなのかっこいいかなーっておもったり?
朝光:それはかっこいい
GM:佐馬さんがダッフル男子なので、6月だと浮いちゃうのがもったいないんですよね…! あえてなのもかっこいいけど!(
いのめ:あああそっか……! 冬だこれ!
朝光:春用のレインコートにもできますよ
黒い丈の長い服ならビジュアルイメージそんなに崩れないですよ大丈夫。
GM:おぉ。確かに、「一月限りの血盟のつもりだった」って言うのはすごい美味しいですよね…!
紫貴音:おいしい
鴇也:ふむふむっ、美味しいですのう(もぎゅもぎゅ
GM:とりあえず、実際に血盟に所属する皆様に任せる!
朝光:おいしい設定に一票
鴇也:わぁ、では水無月ですかのう!
いのめ:わーわー
朝光:ひと月限りの血盟の絆は延びに延びて
鴇也:天から水が無くなる月、月はよく映えるじゃろう
GM:はぁい、では血盟「水無月」の皆様。忍務のお時間と参りましょうか。
紫貴音:いざ尋常に
朝光:承知した。
いのめ:心得ました。
鴇也:あいよ。
GM:導入、始めさせていただきますね。
■導入シーン1:水無月、月蝕みと相対する
GM:今から1年前のとある晩。空にまあるい月が高く昇って、小高い丘の上に4人の影が長く伸びる。相対するは妖魔・月蝕みである。
鴇也:ではっ、
空を覆わんばかりの凶鳥の両翼、その片翼が羽を飛沫くように爆ぜて、
大地と一糸によって繋がれる。
凶鳥の一翼と大地を繋いだのは、紅い衣の青年。
手は投じた暗器から伸びる鋼線を握りしめ、足は前へと。 首だけが振り返り、
「トモ! 後詰は頼んだ、先陣の誉れは『焔木』が戴く」
と、言葉に後押されるように跳躍、手にもつ鋼線を手繰り寄せながら空へ。
朝光:「承知した」金烏玉兎の濃い口を切り、地上に留まります。
GM:紅き青年の紡いだ銅線から逃れるように体を大きく震わせる凶鳥。
その羽ばたきが大地に届き、大地はたちまちに腐食する。
月蝕みに”蝕まれた”のだ。
鴇也:羽ばたきという名の暴風に煽られ、凶鳥に比べれば木端な体が宙に舞う。
脚を天頂に、頭蓋を大地に向け、腐食する黒い大地の中、三人の月を見て。
「シキィ、分かっているかい。此処は窮地じゃなくて、「見せ処」だよっ」
と暴風に煽られ、凶鳥の上に回りながら。
紫貴音:「……見せ、処?」首を傾げつつ
「役目であることは、わかる」
両の手を広げると水が溢れだし黒く染まりゆく大地とぶつかり、押し戻す
「もつのは、少しだけ。……今なら」ヴェール越しにいのめの方を向く
いのめ:「(首を傾け、受話器に耳を押し当てるような仕草をしている)――はい。
つつがなく。ええ。わたくしはすでに彼らをここに呼んでおります。そう――」
つ、と人差し指を立てて、水流で流されるその先の大地を示す。
その大地は黒い瘴気に覆われ、一つ、またひとつと黄泉の軍勢が立ち上がり、声なき鬨を張り上げる。
「たった5人と思いまして?」
朝光:「いのめ、相変わらず怖い女だな」
と、言葉とは裏腹に慈愛を込めてつぶやきつつ
「紫貴音どの、感謝する……鞍馬神流・水走り」
紫貴音が通してくれた水の道を音速で駆け抜け
「鴇也どの、これで詰める!」
鴇也と視線を交わして金烏玉兎を抜き放ち肉薄する!
鴇也:風切る口笛を一つ、眼下、天頂たる大地で輝くみなのつきを眺めて、
大空で愉しげに。
GM:では月蝕みは朝光の一閃を受け、その体は大地へと倒れ伏し、動かなくなる。
紫貴音:「やった、のですか?」つぶやいて空にいる鴇也を見上げる
いのめ:「鴇也さま、朝光さま」と、ほっと胸をなでおろし、そのまま二人の方へ歩み寄ろうとする
鴇也:地に堕ちる「月蝕み」に引かれるようにして、「月蝕み」の上に降り立った。
鋼線を巻き取り、溶かし、手中で珠としながら。
大地、見上げる一人、切り抜けた一人、駆け寄る一人を見渡した後、
歯を見せて笑い、夜空の丸い月を指さして。
「やったな、皆」と。
GM:ふと、安堵の歩みを進めるいのめは視線を感じる。
何と考える間もなく、側へ現れるのは倒れ伏したはずの月蝕み。
気を緩めたのを悟ったのか、あるいは何ともわからないが、
それは確実にいのめを手にかけようとしていた。巨大な爪が迫る。
いのめ:「――ッ ぁ ぇっ…」ひゅっと息を呑む。
何か叫ぶため口を開くが、かすれた音だけがこぼれ落ち
朝光:「……?!」高速機動後で反応が遅れる
紫貴音:「――ッ」気配に視線だけ向かうものの、体の動きまでは追いつかず
鴇也:『――イノッ!』 静寂に声が飛んで、闇夜に紅い弧が描かれる。
埋め込んだ暗器はまだ月蝕みの翼、腕の中。巻き取りかけていた鋼線は短く、
しかしそれ故に弧の辺は短く、描く線は早い。
紅い衣靡かせて、振り下ろされる爪より先に、外からいのめに至る。
鋼線握る右手は絡みついた線で肉が裂け、伸ばした左手が彼女の肩に触れて、
その勢いで自らは地に叩き付けられながらも、いのめを弾き飛ばそう。
朝光:「いのめ! 鴇也!!」叫ぶ
GM:では月蝕みの爪はいのめではなく鴇也を掴み、そのまま羽ばたいて飛び去って行く。月へと向かうように。
いのめ:突然切り替わる視界。だがシノビとしての五感がなにが起こったかを察知している。眼前を覆い尽くした赤い衣。
「――鴇也、さッ」
紫貴音:「とき……鴇也、さん!」
叫びながら腕を、水が空に伸び……重力に負けて地に水しぶきが散る
いのめ:ズシャっとぬかるみに肩から突っ込む。そのまますぐに視線で追い――
巨大な影が月へと去っていくのを、悲痛な『肉声』で追いかけた。
「鴇也さまーーーッ!」
鴇也:皆の呼ぶ声に応えるように、凶鳥舞う空から降るものがある。
鴇也が、暗器を造るときに使う珠。それは血で汚れまるで欠けた月のようで。
GM:皆の声に鴇也が答えることもなく、月蝕みは消え去った。
これが血盟「水無月」の、おしまいのはじまり。
■導入シーン2:水無月、再会する
GM:導入の2シーン目、月蝕みに鴇也さんが喰われて姿を消してから
1年後になりますが、この1年をどんな風にそれぞれ過ごしていたか
PC2〜PC4にそれぞれお伺いしたいと思います。
いのめさんから順番に聞いてもいいですか?
いのめ:はい。そうですね……鴇也様を探してあちこち手をつくしています。
その一方で、水無月の皆様とも連絡を取り合っています。
紫貴音さまの住居のお世話をしたり
朝光さまにも情報を提供したりしています。目的はどうあれ、鴇也さまとまた見えたいのは同じことですから。そんなところですね
GM:いのめさん比良坂だけあって情報系には強そうだし実際強いですもんねぇ。
頼りになるなぁ。了解です!
じゃあ朝光さんは何してますかね?
朝光:私はこの一年、ただひたすらに、一心に剣術の腕を磨きます。
確実に敵の先手を取り、一撃必殺でとどめを刺す剣術。
後詰めを任されたというのにとどめを刺し損ねた失態に強く責任を感じてます。
次にまみえた時こそは必ずやこの命に変えても月喰みを斬るという覚悟で。
結果、キャラシー記載のダメージ特化忍者になりました。
GM:すげぇ! そうですよね、まさか次に月蝕みが現れたときに鴇也さんが月蝕みに寄生されてるとは思いませんもんね…! 了解です!
ではラスト、紫貴音さんは……どうやって過ごしてますかね!
紫貴音:私も鴇也さんの行方をネットの掲示板などで探してはおりますが
言葉とか世界の勉強がてらという感じですね
不自由だったり手慰みだったりで血徒の葵を連れるようになったのもこの間
あまり外には出ないので不急の用事は葵を使いに出していたのではないかと
あとちょっと思うところがあって忍術の訓練など少々
GM:おぉ…! 確かに今まで祠に祀られていたし、勉強とか、好きに生きるのも大事だと思います! 了解しました!
ではそれぞれの想いを胸に1年を過ごしていた皆の前に、鴇也さんが帰ってくるシーンをこれからやるわけですが
鴇也さん、一番話が早いと思いますが、3人集まってるところに帰ってくる?
鴇也:んー、お時間を使っていいのであれば、
一人ずつ連れ出していきたいかのう。『四人』が『水無月』となった時のように、
いのめさんを連れ出し、朝光さんに取り次いでもらって、紫貴音さんの天岩戸を開いた過去の流れを感傷を込めてなぞっていく感じとか(:3
紫貴音:なんと……
朝光:熱いこれは熱い!
いのめ:かっこいいですし、素敵だと思います!!
朝光:ばっちこい!です!
GM:おぉ…!GMとしては「赤燭天蓋」を披露して『あ、昔の鴇也じゃない』って
みんなに思わせてもらえればそういうかっこいいの大歓迎!
鴇也:ちょうど紫貴音さんは祠に居た頃のように住居に引篭もっているようだし、
いのめさんに取り次いでもらえれば朝光さんに『月蝕み』と思われて
切りかかられてもなんとかなるかなっと!
時間的には夜がいいかなーと思います!<「赤燭天蓋」の演出的に。
GM:はぁい!
ではいのめさんが一人でいるところに、鴇也さんがまず現れるところから?
……いのめさんの家ってがんばれば侵入できるのかな?(
紫貴音:守りすごそう(
鴇也:こわい(
朝光:その守りを突破してくる、妖魔と化した鴇也どの
いのめ:一度頑張って侵入してきたはずだから、だいじょうぶ!w
それでわかった警備の欠点も、あえて、そのままにしています。
また鴇也さまが来てくれるんじゃないかって思いながら
GM:その願いが叶う日が来ましたね。おめでとうございます。
鴇也:わー、いのめさんのお部屋ってお屋敷のどの辺りに。窓とかってあるかのう。
いのめ:じゃあでっかい出窓がある高所のお部屋ですん! やったーかなうぞー(
鴇也:ではいのめさんが夜、自室に佇んでいると小さな羽音と、
窓向こうの木の枝葉がざわめく音。
窓の向こう、宵闇の中から扉をノックするような音。コン、コン、と控えめに。
いのめ:資料を手にうとうとと書机に座っていましたが、それではっと顔をあげます。
傍らにおいた電話を引き寄せ、「…風の音?」と耳を疑って、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
鴇也:君の言葉を肯定するように、屋外で一陣の風が吹いて木々の枝葉が再びざわめく。葉擦れが止んで、君の言葉を否定するように再び窓を軽く打つ音が響く。
君の視線の先で。
いのめ:「…曲者っ!」隠し持った小刀を抜き放ち、思いもよらない素早さで接近するや、窓枠を両断するように一閃。
鴇也:忍の技で断たれた窓枠が斜めに崩れ、宵の空を覗かせる。
と、そこに在るのは宵の中でも輝く青年の右眼と、鮮やかな赤い衣。
残った窓枠で見えぬ口が、軽やかに音を鳴らし。
「ははっ、違いない」それは笑いに代わり、
『何年ぶりかな、元気にしていたかい? イノ』
いのめ:「と…きや、さま…?」振りぬいたままで呆然と、肉声を漏らす。
「そのお声、お姿は、紛れも無く…」みるみる涙の粒が膨らんでいき
「鴇也さま! 1年です、1年です…! 一体どうしていらっしゃったの?
こんな突然…!」
鴇也:君の涙に、見せている右目だけを大きく見開いて。ばつが悪そうに、頭を掻き、眉尻を落として。
『イノ』 彼女の愛称を呼んで、「泣かすつもりはなかったんだけどな……
そうか一年か」と遠くを見るように空を見上げ。
『水無月の皆で過ごしたあの時のことがずっと昔のことのように感じるよ』
いのめ:「わたくしもです。この1年、一日が千の秋にも思えました。
でも、もうそれもおしまいです。鴇也さまが戻られたのですから」
と、言ってからはたと肉声のまま話していたことに気づいて、恥じ入るように電話の受話器を手繰り寄せ。
「…水無月の他の皆々様とも連絡を取りましょう。まだ、月蝕みを倒す忍務は終わってはおりません」
鴇也:そうだね、と瞼を伏せて頷きを返す。「ようやっと目途がついたんだ」
と瞼は伏せたままに、『これで皆で忍務を果たせる』
『イノ』 名前を呼んで、右目はうっすらと開く。細い瞳で君を見て、
『……皆で話がしたい』
「あの時みたいに、一緒に来てくれないか」 と言って、此処で立ち上がる。
残った窓枠で影になっていた半身が露わになり、左目を燃える様な鳥の羽に覆われた姿をさらし、窓枠に侍る君に手を差し伸べよう。
いのめ:その様を見て、ひゅっと喉がなり、少し、動きが止まる。
だが1,2呼吸してから、何事もなかったように切り捨てた窓枠を踏み越える。
「…ええ。…参りましょう、鴇也さま。ずっとずっと、お待ちしていたのですから」
鴇也:窓枠を踏み越えた君の手を取り引き寄せて、腰を抱くように支えながら。
「俺もさ。ずっと……」
小さく頭を振って、羽に覆われた左目は、しかし右目と同様にあの時のまま、
『いや……何でもない』
いこう、と小さく宣言。空を見上げ、「いい月夜だ」 と立っていた枝より跳躍、
泉家の屋根に移り、二歩で加速、空に至るとはためく赤い衣が翼のように広がって。
いのめ:まるで1年前之園費に戻ったように、空を見上げてつぶやく
「ああ… 空はこんなにも広かったのですね」
「忘れていました。この1年――なのに」
夜風に、耳に飾った月長石が揺れ、言葉が途切れた
朝光:描写が変わりまして
六分儀市内、佐馬剣術道場。広い板敷きの間に燭台が4本灯り。
その明かりに囲まれた男の姿を浮かび上がらせている。
瞳を閉じ、刀を左側に置き、正座している朝光。
視聴者から見て右手前の燭台の蝋燭がゆらめき、ふうと消える。
目を開け、消えた燭台を見る。
鴇也:視線の先、消えた燭台の向こう、壁で隔たれた外界、羽音と共に砂利を踏み鳴らす音。己の気配を隠していないようにみえるそれは、朝光さんには感じ慣れた気配かも知れない。死線で渡り合った、この世ならざる者の気配。
朝光:ス、と当然のように左手に鞘を持ち塚に手をかけ
「何者だ。ここを鞍馬の領域と知って迷い出たか。
妖魔ならば問答無用で斬る」鯉口を切る…
鴇也:『それは知らなんだな』 作った声色で、一際大きく砂利を踏みしめて。
クク、と零れる様な囀りのような笑いと共に。
『なれば見せてほしいものだよ』 と音は軽快に、疾走の勢いを持って、
「佐馬の刃、妖魔を断つという剣閃を!」
音は大地を蹴り、破砕の音共に戸が爆ぜる。
宵の闇より躍り出た紅い人影が、猛禽類の爪に似た鈍色の凶刃携えて!
朝光:刃の銀光を閃かせ、飛んできた戸の破片を切り飛ばしながら高速機動。
紅と灰、二つの影が交錯し、影を中心に一瞬風が渦巻く。
全ての蝋燭が消え、全開になった戸から差し込む月光が二人を映す。
つばぜり合いのような格好で制止した鴇也と朝光。
私は金烏玉兎を鴇也殿に向けて構えつつも、直前で止めている。
鴇也:交錯した一瞬、身を沈め突き上げるようにして振るい挙げた凶刃を握る手は振り切る直前で止まってる。
蝋燭が消え、月光差し込む道場のなか、長い帯の先に結わえた月長石の珠が月光浴びて煌き、朝光の眼前に浮かんでは落ちる。
「トモ」 作った声色はない。
『何も変わっていないな』
刃の向こうから声をかける。
「お前なら妖魔を断ち切れる」
朝光:「鴇也どの……」刀を収めながら
「生きて……生きていたのか! この一年……あなたの無事を心から願っていた」
「よくぞ、よくぞ無事で……!」 感無量。
いのめ:「朝光さま…鴇也さま。ああ、なつかしい。…一年前のことを思い出します」
と、暗がりから月光の下へと歩み出る。夢見るように受話器に耳を傾けながら。
「あのときは、お二人のどちらかがいなくなってしまうのではないかと、恐ろしかったものです」
朝光:「いのめ、もう恐れることなどない。鴇也どのも、わたしも、こうしてここにいる」
鴇也:そうさ、と凶刃を珠に戻し、懐に収めて立ち上がって。
「トモの言う通りさ」 と君達を見て、『もう恐れる事なんてない』
『皆一緒だ。こうしてまた廻りあえたんだから』 と歯を見せて、少年のように笑う。
左目の羽を靡かせ、凶刃を握っていた手で拳を作り、手の甲を朝光の胸に当て、
「トモ」 彼の名を呼ぶ。
『また一緒に戦ってくれないか、あの頃みたいに……
お前が後詰でいてくれれば、俺は安心して前に行ける』
朝光:「ああ、今度こそ……後詰めをしくじったりはしない」
いのめ:「ええ。ええ…きっと(と、朝光に返し)
…この時間が長く続けば。たった一月限りと言わず、ずっと…」
二人の背後で、目を伏せ、つぶやく
鴇也:二人を羨むように瞳を細めて、「そうだね」と唇から零す。
「でも……欠けぬ月がないように」 と自分の胸元を掴み、
『アイツとの決着はつけなくちゃ』
『イノ、トモ』二人の名を呼んで。
「感動してる場合じゃないだろう、俺達にはもう一人――仲間がいるじゃないか」
って胸元の手を放し、指を一本立てて笑った。
紫貴音:ではそんなことが起きているとは露知らず
紫貴音はいつものように家にいながら情報収集を行っております
光量を抑えた灯りの下、パソコンの画面の方が煌々と紫貴音を照らしている
ふと画面を見ていた首を傾げ、そばにうずくまっている葵に問いかけた
「葵、この『運命の導き』、運命というのは何者?」
葵:「運命……説明、難しいですけど……なるべくしてなるとか、決められていること、とか……でしょうか」
紫貴音:「おおよそは把握しました。運命、運命……をかしな着想ですね」
葵の淹れたティーバックのお茶を飲みながら、また新たな知識を求めてネットの海に――
鴇也:君がネットの海に没入したその刹那、現実の君の背後、
天井から壁にかけて斜めに線が奔る。
音も無く走った線に沿って、音を立てて分かたれた屋根や壁が滑り落ちていく。
当たり前のように、滞りなく。
灯りは星明りが室内灯にとって代わる。
淀んだ空気を浚うように夜風が君の頬を撫でる。
あれ、と素っ頓狂な声。 『ごめん、ちょっと本気を出しちゃった、かな』
と詫びながらも、どこか愉しげな声色。
紫貴音:建物に亀裂が入った時点でかばうように間に入った葵を手で制し
ヴェールの奥からどことなくじぃ、っと見つめる雰囲気の後
「お戯れを、鴇也さん。元気ハツラツそうで何よりですが、ここは借り物ですゆえ少し、その……困窮します」首を傾げつつ
鴇也:ごめんごめん、と自分が断った壁の断面、に立って。
「シキがいると思ったら、つい、ね」 と自分の手を罰するように摘んで見せて、
『大丈夫、俺にかかれば屋根なんてすぐ直せるさ』 とおどけて。
いのめ:「鴇也さまのお手をわずらわせることもありません。
紫貴音さま、ご心配なく。明日には元に戻っていますよ。」
ね? と念を押すように受話器に語りかける。
「これで… また、揃いましたね」
朝光:「血盟・水無月が。我らの月喰み討伐はまだ終わっていません。
紫貴音どのにもご助力いただきたいのです」
紫貴音:では久方ぶりに揃った顔をぐるりと眺めて
「あぁ、月が幾度満ちて欠けたことでしょう。
その果てにまた集合したのであればたぶんこれが運命、というものか」
朝光の方を見て
「力をご所望とあれば、我も因縁ある身ですから。
しかしながら、では何故に討伐相手を同伴しておられるのです?」
また首をかしげるそぶりをする
朝光:「討伐、相手?」 完全に虚を突かれた感じで返答
いのめ:「…(目を伏せ)…。ああ、紫貴音さま。
もう少しこの時間を楽しみたいというのは、わがままだったのでしょうか」
紫貴音:「間違えるはずもございません。
屋根を直せるとおっしゃった鴇也殿、彼奴から感じるのは確かに月蝕みの妖気」
「わがままではないと思います。ただ、それが許されない……
そう、運命だったということなのでしょう。ねぇ、月蝕み」
鴇也の方を真っ直ぐに見据えながら
朝光:血の気が引いた顔で、鴇也どのを見る。
鴇也:「シキ」
表情伺えぬ彼女の視線をまっすぐ受け止めて、彼女の名を呼ぶ。
『いい『見せ処』を有難う。シキなら――こうして見通してくれると思った』
言う青年は両目を伏せる。
息を吸い、吐いて、開いた双眸は色合いが異なっていた。
人の右眼に対し、橙と黒からなる猛禽類の左目。
『でもねシキ、俺は月蝕みでもあるけれども、鴇也さ』
芝居がかった口調で、自分の異形の左目に指を添え、
『あの夜、月蝕みは俺を喰おうとして――しかし俺が喰い返した。
この身にシキと同じものが流れてるのは確かでもあるけれども』
「皆と、水無月と一緒さ」
少しさびしげに視線を落とし、
『一年かけて、俺は月蝕みを抑え込み――
そしてアイツを封じる方法を手に入れた』
いのめ:「そ――それはまことですか、鴇也さま!」
ぱっと顔を上げ、希望を込めて一歩歩む
紫貴音:「封印……で、ありますか」
いのめと対照的に、一歩後ろに下がる
朝光:刀を持つ左手が震え、動けない。
鴇也:あぁ、と短く答えた青年の背後より、紅い光が差す。月光の青い光とは違う、
夕暮れ時のそれに似た光が皆を照らし、街を紅く染め上げていく。
いのめ:「紫貴音さま? 朝? どうしたの?」
「これで無事、任務を果たせるではありませんか」
とぎゅっと受話器を握りしめ、無邪気に二人に微笑みかけ――
鴇也:『赤燭天蓋』
己の得た力の名を呼ぶ。西の空、真夜中になおその姿を誇示するのは
『西より登り、宵闇を照らす太陽』。
その名を告げて、肩の力を抜き、脱力したような笑みを見せて。
『時が満ちればこの結界は完成する』
葵:(葵がそっと紫貴音に日傘をそえる
鴇也:『これが終わったら――月夜に怯えることも、無くなるさ』
と、きっと一年前に月融みに挑んだ時と同じ言葉を。
では言葉を失した君達に笑いかけて、
『それが終わったら皆で酒でも飲もうよ。
俺達があの月を護ったんだって、月を見上げてさ』
「今日は、皆に逢えてよかった」
振り返り、来た時とは裏腹に静かに歩み始める。
朝光:「と、とき……」
結界のせいか、衝撃のせいか、動けぬまま言葉を。
「鴇也アアアアアア!!」 絶叫する。
「焔木鴇也! 妖魔月喰み! 貴様は私が! 私がこの手で斬り殺す!!」
血を吐くように絶叫
鴇也:絶叫に応じるように、背を見せたまま手を掲げて。
向かう先、西より出る太陽の姿はない。ただ宵の帳が降りている。
いのめ:ぱっと、弾かれたように朝光を見る。信じられないような面持ちで。
「朝、けれど、鴇也さまは…っ」 言い募ろうとするも、
鴇也自身から感じる虚の雰囲気を感じ取れぬわけでもなく、よどむ。
助けを求めるように紫貴音の方を伺う。
紫貴音:おそらく視線を合わせているのだろう、いのめの方を見て……
うつむき気味に首を横に振る
宵闇の向こうを見通そうというように鴇也が去った方を見ながら
「……嘘ばっかり」とつぶやく
いのめ:「…(ぎゅっと。鴇也が1年前に残した球を胸に押し付けるように握りしめる。)いいえ…いいえ わたくしは信じません。だって、だって…
あんなにも楽しい一月だったではありませんか…。あんなにも…」
弱々しいつぶやきがただ、地に落ちた
GM:懐かしい時は去り、今はその去る背中を見ながら各人の思う事はそれぞれであり。血盟・水無月の綻びは見えたのでした。
GM:では、導入シーンは以上です。
メインフェイズ開始前に、シナリオのレギュレーション確認をしておきますね。
1.プライズはドラマシーンでの受け渡し可能。
また、戦闘の戦果としてプライズを押し付けることが可能。
2.プライズに秘密はない。
3.クライマックスフェイズの勝者に生殺与奪の権利なし。
以上です。シナリオシートに書いてはありますが念のため。
3はつまりはルールブックに載ってる通りの普通のルールってことね!
紫貴音:はーい……!
鴇也:ほいほーいっ
朝光:はい、了解です。
いのめ:はーい
→第一サイクル